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サラリーマン生活30年 分野を限定せずに幅広いジャンルで旅、生活、興味のあることを 普通の会社員生活視点から情報発信してまいります。

出張という旅 那覇 2019年6月

出張という旅 那覇

 

 1日目

 北東北出張から帰京した翌日、約1年ぶりに沖縄へ向かう。今週は出張2連発だ。今回の出張目的は、沖縄で展開している取引先に北東北での商談同様の取引見直しの商談がひとつ。そして、那覇市に隣接する浦添市ベイエリアに新しい大型商業施設が開業間近で、そこに入居するテナントが当社商品を展開することになり、売場設営作業がもう一つの目的である。

 北から南へ、列車移動から飛行機移動と方向も手段も大きく変わり。短期間にこれほど変化のあるスケジュールにワクワクする自分に気づく。これは「出張」という「旅」の真骨頂だと思ったりする。6月の沖縄はもう夏のシーズンに突入しているが夏の観光シーズン前でさほど混んでいないのも有難い。

 

 2019年6月5日、午前中に会社で前日までの出張報告、打合せを済ませて、羽田14時30分発のANA475便で那覇に向かう。

 定刻から30分ほど送れて機体はプッシュバックを開始した。今回この便はシップチェンジでB777-200からB787-8に変更となっていた。おかげさまで搭乗回数は結構増えてきたが、意外と787には縁がなく2度目の搭乗となる。

最新鋭機だからまだ機内もきれいで、なにより窓が大きいのがありがたい。体感的にB737の2倍近くあるように感じる。またプラスティックの日よけでなく窓の透過度を変えることで日差しを軽減できるのも窓側派には大変よい。

羽田から沖縄へ向かう際は進行方向右側をキープするのが鉄則だ。富士山を望んだ後は日本列島の沖合を洋上飛行するが、九州の沖合からは屋久島をはじめ天気がよければトカラ列島を望み奄美大島の上空を経て、徳之島、沖永良部、与論島の島々を見ることができる。反対側だと沖縄まで延々と海だけが続く。

 

機内で少しでも快適に過ごすための要素として、どの座席をキープできるかで決まってくると思う。優先順位として①窓側、②足元が広い、③到着地の予定しだいで前方(乗り降りドアの近く)、

④隣になるべく人が来ない、といったことを意識している。

これらに実際の飛行時間が関わってくるわけで飛行時間が長ければ④隣に人が来ない、こと賀順位を上げることになる。

私が入社した30年ほど前は、空港のチェクウインカウンターで早いもの順に座席が指定され搭乗券に座席番号が記されたシールが手作業で貼られていたものだ。現世では有難いことに、予約と同時にネット上で座席の指定ができるので隔世の感がある。

しかし航空会社の上級会員かどうか、またチケットの種類によって事前に予約できる座席の範囲が違っているのでどこでも指定できるわけではない。航空券は各種割引料金のものより当然ながら正規料金のほうが指定できる座席の範囲は広い。

またANAにおいては、前年の搭乗実績による「プレミアムポイント」数に応じて「ダイヤモンド」「プラチナ」「ブロンズ」3つのステータスがあり、座席指定においても優劣があり、ダイヤモンドメンバーが最も座席指定の選択の幅が広くなっている。

さらに航空機のバランスの問題があり前や後ろに乗客が偏ると飛行に支障が出るため最初の段階から前方後方にできるだけ分散されるよう、指定できる座席を設定しているようだ。

このような背景から、条件のよい座席はなかなか指定すること難しく感じられる

が、あるタイミングで座席開放という現象が発生し座席指定ができる範囲が一気に広がるので、ここからが座席確保の勝負といえる。

そのタイミングは搭乗日前日の0時から、また割引などでない正規運賃、もしくはANAカード利用者なら。それより前、2日前の12時から座席が開放されるのである。さらにANA上級会員「ダイヤモンド」「プラチナ」「ブロンズ」のいずれかのステータスを保有しているか、「ANAスーパーフライヤーズカード」のメンバーなら、2日前の0時から座席が開放される。

基本的にどの航空会社でも同様な座席開放が行われるようだ。

今回、この座席開放のタイミングで、当初の14Kから10Kに変更した。右窓側、足元広い、出入り口近く、そして隣に誰もこない、普通席では最上の座席をキープすることができた。非常口座席であるが自分にとってデメリットはほとんどない。

おかげで那覇までの約2時間半のフライトが快適に過ごすことができた。

出張の移動中の時間を無駄にしたくはないと思い、新幹線や飛行機に乗る時は会社のPCやTOEICのスコアアップに向けて参考書などを持ち込んでいた。しかし、近頃では窓の外を眺めているとリフレッシュになり、気分的にも体調的にも具合がいいようなので今回もボーっと外の景色を眺めていると、屋久島の宮之浦岳が見えてきた。南西諸島の島々を望みながら、やがて飛行機は降下を開始した。

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那覇空港着陸前



那覇空港に夕方17時過ぎに着いて到着ロビーから外に出るとむっとする湿気に包まれる。この時間でも日は高く刺すような日差しだ。このまま西海岸のリゾートホテルへ直行したいところだが、今回は「出張」なので那覇市内のホテルへ向かう。

那覇空港に直結している沖縄都市モノレールゆいレール」に乗る。二両編成で可愛らしい。空港駅から赤嶺、小禄といった那覇市郊外を経由して下車駅の壷川へ向かう。

 

二十九年ほど前、社会人になって最初の3年間ほど私は那覇市で暮らしていたので、このあたりの風景はとても懐かしい。住宅をはじめ建物はかなり増えたが、当然ながらだいぶ変わっている。商業施設や飲食店はいまや本州と同じ全国チェーンの看板が道路沿いにたくさん並んでいる。当時といちばん変わっているところだと思う。

左側に奥武山公園、右手に漫湖が見えてきて壷川駅に到着。18時半近いがまだまだ空は明るい。

今日の宿は壷川駅から歩いて10分弱にとこにある、「ANAクラウンプラザ沖縄ハーバービューホテル」。このホテルは出張当時はANAクラウンプラザの冠であったが、その後、運営会社が変わっている。

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こちらはハイクラスのホテルなので通常なら宿泊代が出張規定を超過し、利用することは無理である。今回も1ヶ月前に宿泊サイトをいくつもチェックしたが、全て規定超過だった。

しかし試しに宿泊の3日ほど前に公式WEBを見てみると規定内で収まるプランを発見、即予約を入れることができた。

今までの出張経験からホテルの宿泊料金についてわかったことがある。ハイシーズンの時期や祭りのイベント時を除けば、宿泊日の2から3日前に大きくプライスダウンしたプランが出てくることが結構あるということである。ネットを見るとそのような記事はたくさんでている。

出張を少しでも快適に遂行するために、宿泊施設は、大変重要なファクターとなる。社内規定の枠組みの中で如何に快適なホテルを確保できるかが出張出発前の最大のミッションであり、楽しい儀式でもある。

 

壷川の駅から小汗をかきながら坂道を上がって行くとホテルが見えてきた。高層ビルではないが重厚な佇まいである。

今日はもう仕事は終わり、明日朝から浦添市の新しい商業施設での設営作業となる。今日はこれからフリータイムだ。

今晩8時頃に久々に会う友人と食事に行くことにしており、少し時間がある。

この時間を利用して近くの奥武山公園を散歩してくることにした。7時すぎてもまだ夕方の余韻である。南国の夕空のもと、少し湿り気を帯びた風が心地よい。昨日東北地方の岩手県にいたことがうそのようだ。

公園を出る頃、ようやく沖縄の太陽が沈みあたりは暗くなってきた。暗くなっても湿気がまとありつく。しかし不快さはない。

壷川駅で同期入社のD君と合流。近くの居酒屋へ向かう。彼は親会社の那覇支店に単身赴任しており、4年ぶりの再会で近況の話や昔の話で盛り上がった。普段は飲まない泡盛をしこたま、といっても5、6杯くらい飲んで那覇の夜は更けていった。

 

2日目

今日も朝から南国の太陽がまぶしい。私の出張は天気に恵まれることが多い。でも不思議と天気に恵まれない地方もあり、北陸方面は大抵荒天となる。

沖縄は今回が3回目だが全て天気に恵まれた。特に今回は梅雨時期なのに好天だ。仕事であれ天気はいいにこしたことはない。

 

朝8時過ぎにホテルの玄関に立つ。先に沖縄入りしていたI営業担当がレンタカーで現れた。ここから一緒に浦添市の新しい商業施設に向かい。午前中は売り場設置作業の予定だ。レンタカーのハンドルは私が握った。運転は大好きだし、営業車の運転経験も長いので運転には自信がある。少なくともペーパードライバーと思われる営業担当にハンドルを渡す気はさらさらなかった。ましてや久しぶりの沖縄、私がハンドルを握る 

すでに朝の通勤時間帯だがさほど車は多くない。新しい道路が増え、以前とは道路事情も変わったのかもしれない。波の上バイパスからは慶良間の島々が見える。普段おとなしいIさんが「きれいですね!」と感動の様子。

真新しいベイエリア沿いのバイパスを走ること20分、東シナ海と米軍基地に挟まれたところに長大な商業施設が見えてきた。

 

午前中、順調に作業を終え、午後から北谷、沖縄市うるま市方面の小売店巡回に向かった。

Yナンバーの米軍関係者の車に囲まれると沖縄の現状を実感する。

沖縄は車社会なので郊外のロードサイドのショッピングセンターが繁盛している。沖縄市のライカムという小高い丘の上に広がっているショッピングセンターは平日の昼間にもかかわらず駐車場は満車に近かった。

地元の利用者だけでなく那覇方面からも来店しており、そしてアジア系の観光客が観光バスで多数乗り付けていると、売場の担当の方から聞いた。実際、在日米軍基地の家族と思われる欧米人に加え、中国語の会話があちこちから聞こえてきた。

売場視察と商談の後、このショッピングセンターの上層階に上がりオープンテラスに出てみると、沖縄東海岸の海が広がっていた。この景色だけでもここに来る価値があると思えるくらいの絶景だ。日本各地のショッピングセンターを訪れてきたが、景色という付加価値でここが魅力度ナンバーワンだと思う。

この日の夜は同行Iさんに昨日のDさん、そして親会社沖縄支店の2名を加えた5名で、売場設営の打ち上げを兼ねた祝杯となった。県魚のグルクン唐揚げがとても美味かった。

 

3日目最終日

朝から快晴。

今日は昨日巡回した小売店の本部バイヤーとの商談と、那覇市内の小売店巡回の予定だ。

那覇市の南に隣接している南風原町の本社に向かう。予定より30分余り早着したので駐車場で時間をつぶす。昨日より日差しが強い。

商談は最終的に合意することができた。

早々に那覇市内と浦添市内の小売店を視察するため、レンタカーで回った。

 国際通りは訪日観光客の姿が目立つ。国際通りから一歩奥に入った牧志公設市場はカラフルな鮮魚や豚の顔の皮などが出迎え、空間の匂いと空気感も相まって独得な世界だ。

 25年以上前の90年代初頭に、那覇勤務を三年間経験した。その頃と公設市場の雰囲気は大きく変わっていない感じがしたが、店舗の入れ替わりは当然かなりあったようだ。

 

国際通りだけでなく那覇の街中に、当時はあまりなかった本州の全国チェーンの飲食店や小売店がとても目立つ。代わりに国際通りからは三越山形屋といった百貨店が姿を消している。時代の変化と共に那覇の街も大きく変わってきたのを垣間見たようだ。

 

 夕刻、ANA474便で18時過ぎにまだ明るい那覇空港を離陸、東京への帰途に就いた。出張ではあるが少々名残惜しい。

 帰りはプラミアムクラスへポイント利用でアップグレートしているので快適なフライトだ。沖縄線のような長距離路線ほどプレミアムクラスの恩恵は大きい。特にプレミアムポイントでのアップグレートであればなおさらである。

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 帰路羽田までのフライトは大変短く感じられた。