礼文島へ 父子旅①
台風10号が北海道近海を通過した直後の2023年8月18日、大学2年生の長男と本当に久しぶりの父子旅で最果ての礼文島へ。
思えば出張では日本国内色々なところへ行ったが、旅らしい旅は何年ぶりだろうか。
長男との旅といえば、まだ小学生だった頃、尾瀬に行って以来かと思われた。
しかも近頃はまともな会話も少なく、息子からすれば、父親としては大変物足りない存在となっていると思われるのだが、単身赴任中の札幌へこの夏やってきて、滅多にないチャンスであることから一緒に旅に出ることになった。これが最後の父子旅となるかもしれない。
札幌発7時30分の稚内行き特急宗谷は7番線からの発車。普段の車両と違ってリゾート車両の「はまなす編成」で幸先よくラッキーな気分。車内は6割くらいの乗車率だったが
旭川から先は感覚的に4割くらいになった。旭川までなら旭川行きのライラックやカムイが30分から1時間おきに出ているから、わざわざ稚内行きを利用するのはなんだか不思議な気もするが指定席車両が旭川行きは1両しかないから、指定席車の多い宗谷に観光客などは流れてくるのかもしれない、などと考えたりする。
同じ道内とはいえ札幌から稚内までJR特急宗谷で5時間を超える長旅。でも車窓に流れる天塩川やサロベツ原野の道北の景色の中では、5時間はものの数ではなくあっという間に過ぎていった。
↓利尻富士の山頂が雲の上に
日本最北端の駅 稚内駅に到着。線路は駅舎を突き抜け、駅舎改装前と同じ場所まで伸びている。
駅舎から出てみると、ともかく暑いのなんの。駅前の「気温計」は30度を指し、これでは
札幌となんら変わらないではないか。今年の異常な猛暑は道北稚内とて例外ではなく、湿気のこもった生ぬるい空気がまとわりついた。
礼文行きフェリーの出港まで2時間余りあるので、散歩かてら昼食することに。
私が10年以上前の旭川赴任時代に稚内出張の折、寄っていたあるラーメン屋へ向かう。
「青い鳥」といラーメン屋らしくない名前のお店は、以前と同じように営業していた。
店内は有名人が訪れたことの証と言えるサイン色紙が壁面を飾っていた。
店内は稚内らしくエアコンがなく、扇風機が数台全開で首を振っていたが、まさにサウナ状態!
息子に感想を聞くと「あっさりしていて美味い!」とのことで私も同感!
食後は街の裏手の小高い丘に広がる稚内公園、「氷雪の門」へ向かう。
近そうに見えても急な坂道で結構キツく、暑さの中登っていくと20分ほどで、野生のエゾシカがたむろする氷雪の門に到着。
海の彼方にはサハリンの島影が見えているような気もするがどうだろうか。
ここが国境の最前線であることを改めて認識する。
滞在はそこそこに、登ってきた道を下りて行くと、近道を発見。伝っていくと神社の境内に入っていき、「北門神社」という社であった。せっかくなので参拝して、息子は御朱印帳を取り出し印を頂いていた。印には、日本最北端の神社と記されていた。
フェリーターミナルから14時45分発の礼文島香深港行きに乗船。新鋭の「アマポーラ宗谷」で稚内港を離れる。
前日は台風の影響で、全便欠航だったようだが本日は天気も良く波は少し高いものの、快適な船旅である。右舷には利尻島を臨み、左舷に見えるはずの礼文島は雲に隠れ、なかなか姿が見えなかった。