musakoman7.blog

サラリーマン生活30年 分野を限定せずに幅広いジャンルで旅、生活、興味のあることを 普通の会社員生活視点から情報発信してまいります。

出張という旅 仙台・旭川 2019年1月

出張という旅 仙台・旭川

 

 2019年最初の出張は仙台と札幌・旭川であった。東北と北海道の3都市を2日間で巡るという、出張ならではの強行スケジュールだ。さすがにプライベートな旅なら、たとえ私でもこんな行程にはしないだろう。

逆に言えば出張だからこそ実行できるプランであり、違う土地への移動の醍醐味を味わうことができる。

 

 1月17日、東京駅20番ホームから

「こまち3号」は7時36分定刻に発車。

 「こまち」は盛岡まで「はやぶさ」を併結しているので、仙台までならどちらを選んでもよい。私は「こまち」派である。

車体は「はやぶさ」より小柄なE6系という車両だが、車内は米どころ秋田をイメージした黄金色の2列シートが並び、こころなしかシートのつくりが「はやぶさ」のE5系より大きいように見える。実際に測ったわけではないが。

 そして今回指定した12号車は多目的室や車椅子対応化粧室、洗面所が車体の3分の1を占めており、客室分が他の号車より短く座席数が少ない。そのため小部屋というか隠れ家的な雰囲気が私は気にいっていて、迷わず12号車を指定する。

 

併結区間では「はやぶさ」を指定する人が多いようで、繁忙期以外では「こまち」の方が空いているのも良い。

 ただし例外もあって冬場は「こまち」は避けた方がいい。東北新幹線は雪には滅法強いが、「こまち」の走行する盛岡秋田間は在来線の線路を新幹線と同じレール幅にしただけなので基本的に在来線仕様で新幹線規格ではない。

そのため冬の季節は雪の影響を大変受けやすく、遅延や運休も発生しやすい。併結相手の「はやぶさ」は予定通り新函館北斗方面からやってきても、「こまち」は運休です、ということがまま起こるのだ。「はやぶさ」も「こまち」も全車指定だから、保険のつもりで冬場は「はやぶさ」を指定する。

しかし今回は久々の東北行きのせいか、そんなことをすっかり忘れていて、なんの迷いもなく「こまち」の12号車2D席の指定席券を購入していた。幸いにも秋田は雪の予報ではなかった。

東京は曇っていたが宇都宮を過ぎたあたりから青空の下を北上する。車窓に家屋や工場、街並みが断続的に続いていたが、宇都宮を過ぎると一気に葉の落ちた山林や畑地が多くなる。那須岳の頂がうっすらと雪化粧していた。

郡山を過ぎると安達太良山の青い山並み、そして福島が近づくと吾妻連峰がよく見える。このあたりは山々が次々と姿を現し変化ある車窓が続く。

 

仙台に9時10分の到着。

f:id:northpeakblog:20220326225312p:plain


新幹線南改札を出たところにある喫茶店で、今回最初の業務として東北の営業担当Kさんと打合せに臨む。

1時間ほどで打合せは終了し、駅前の商店街を視察に駅の外に出る。気温は3度、東京よりやはり寒い。空中に広がるペデストリアンデッキが、駅と大型店やアーケード街を結ぶ。流行の先端やカルチャーを発信する大型店や新旧多様な店舗並ぶ商店街が融合している。

 

今回は仙台での商談の予定はないので早くも北海道へ向けて移動を開始する。

11時前には仙台駅に戻り仙台空港行きの電車に乗り込む。空港までは7駅25分の乗車だ。名取まではJR東北本線を走り、その先は仙台空港アクセス線となる。電車は直通運転だ。仙台空港駅手前の美田園までは仙台の郊外といった感じで新しい住宅が目立つ。

高架線を走り電車は行き止まり式で1面2線ホームの仙台空港駅に到着。似たような駅の宮崎空港駅を立派にした感じである。

駅から歩いて出発ロビーに向かうと空港ビルがすぐに見えてくる。壁面は全面ガラス張りで屋根が3つの波型になっているデザインが特徴的だ。

出発までANAラウンジでPCを開き、メールチェックなどしながら無料のコーヒーを頂く。出発案内のモニターを見ると

「札幌行3149便雪のため引き返す場合あり」

と表示されている。新千歳空港周辺は天候がよろしくないようだ。1月この時期はどうしても雪の影響を受けやすい。

搭乗口では同様のアナウンスがあり、ほぼ定刻に搭乗開始となった。

この便はIBEXエアラインズによる運航で、機材はCRJ700というカナダのボンバルディア社製の70人乗りの小型ジェット機である。ビジネスジェット機を長くしたような機体だ。機体は小さいが革張りのシートで座り心地がよい。

ほぼ定刻に出発。小型機のため地上高が低いからか離陸の時のスピード感が半端なかった。

離陸すると仙台平野の海岸線を見ながら雲に突入し、上昇していく。しばらく雲が多く地上の景色は見えなかったが、岩手県の上空で雲が途切れ、ちょうど眼下に雪に染まった盛岡市街が広がりその奥には、雪化粧の岩手山を見ることができた。

 

13時35分、引き返すことなく無事に雲の間から青空が見える新千歳空港に到着した。

快速エアポートで札幌駅へ移動して、駅近くの「ラーメン共和国」で遅い昼食をとる。

北口近くの取引先に15時からの商談に向かい16時過ぎに終了。

その足で地下鉄さっぽろ駅へ向かい、南北線で麻生に向かう。駅近くの小売店を視察して本日の業務は終了である。

 

翌1月18日は午前中、札幌市内の取引先で商談の後、新札幌駅周辺の小売店を周り、昼過ぎに大通へ戻ってきた。

大通公園では2月の「雪まつり」に向けて雪像づくりが始まっている。約1か月かけて大小様々な雪像が造られていく。毎年大体2月4日頃から11日頃にかけて「雪まつり」は開催される。この時期は宿泊代やツアー代は目が飛び出るほど高く、しかも満員であるから出張で来ることは至難の業である。こうして雪像を作り上げているころを見られるタイミングの出張は大変貴重である。

これだけ時間と労力をかけて作り上げられた雪像は、祭り最終日の翌日の午前中には跡形もなく崩され、雪の山と化すのである。

そんなことを思い出しながら札幌を離れる前にみそラーメンを食す。新進気鋭の新世代の様々なラーメン店が札幌市内にもあるようだが、昔から脈々と続くみそラーメンの元祖「味の三平」の暖簾をくぐった。麺のコシとスープのコクが絶妙で、深い味わいがたまらない。

 

札幌発14時ちょうどの特急カムイで旭川へ向かう。旭川には1年ほど単身赴任していたことがある。

昨年は悪天候によるJRのダイヤ乱れにより旭川行きを断念したので、出張での旭川は今回が初めてである。

カムイは雪景色の石狩から空知地方へ疾走する。延々と白い世界が続く。

途中で吹雪のため徐行運転もあり、終着旭川には4分遅れて15時24分の到着。

f:id:northpeakblog:20220326224933p:plain


ホームに降り立つと駅はすっかり立派に生まれ変わっていた。立派すぎて一瞬目を疑ったほどだ。大きな屋根を特徴的な支柱で支え、外観はガラス張りの現代的な高架駅になっている。

コンコースは木材がふんだんに使われており、木の温もりが感じられ広く開放的な空間となっている。

駅前には以前には無かったイオンモールの建物が並び、風景が大きく変わっていた。一方で以前は西武百貨店だった建物は空きビルとなっており、その先にある買物公園は人も少なく寂れた空気が漂っていた。

気温はマイナス13度。数日前はマイナス20度以下まで下がったようだから、この時期の旭川としては寒いほうではないと思われる。しかしズボンの隙間のあった暖気が抜けたせいかと脚が思い切り冷えてきた。冷気が頬を指すようだ。

 

市内の取引先を周り17時前に旭川駅前に戻る。この時期の北海道の陽は短くもう暗くなってきた。空港行きバスの発車迄の時間で近くの「梅光軒」で旭川ラーメンを食す。普通の醤油味より少しこってりしたスープで水分少な目の中太麺。メンマは太く歯ごたえがあった。久しぶりの旭川ラーメンに満足して旭川空港行きのバスに乗り込んだ。正味2時間ほどの旭川滞在であった。

 

バスは旭川の街を抜けるとすっかり暗くなったが雪明りで白く見える平原を走り40分ほどで空港に到着。

旭川空港は冬でも就航率が99%を超えるという、とても安定した就航を行っている空港である。暴風などの影響が少ないことに加え除雪も万全の態勢で対応しているようだ。

また、2018年9月6日に発生した胆振東部地震では道内の広いエリアで損壊被害や停電でインフラがダウンしたにも関わらず、被害もなく自家発電で空港内に電気の供給ができ通常通り運航していたということで旭川空港は雪だけでなく地震に強い、最強の空港と称えられたと札幌在住の社員から聞いた。

羽田行きのANA4788便はAIRDOによる運航で、8割くらいの席が埋まっていたようだ。

 

出張ではあったが、雪祭り雪像づくりや寒いときに食した札幌と旭川のラーメン、白銀の大地と、冬の北海道の魅力にほんの一部ではあるが触れることができた2日間であった。