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サラリーマン生活30年 分野を限定せずに幅広いジャンルで旅、生活、興味のあることを 普通の会社員生活視点から情報発信してまいります。

出張という旅 函館・札幌 2018年9月

出張という旅 函館・札幌

 

 2018年9月6日3時7分に発生した北海道胆振東部地震は最大震度7を観測し、札幌や新千歳空港でも震度6弱を観測するなど道内で多くの被害をもたらした。

 特に道内で使用される電気の半分以上を供給している苫東厚真火力発電所が緊急停止したことにより、ほぼ道内全域で大規模停電が発生した。停電は数日間に及び社会インフラのダメージは大変大きく、道内の経済活動、市民生活に多大な影響がでた。

 取引先の多くも何らかの被害を受けており、現地の当社員の生活にも当然ながら影響があった。

 

 停電が概ね解消し、社会的に落ち着いてきた9月末、取引先と自社社員のお見舞いに急遽札幌へ社長に同行して出張することになった。

取引先の都合を優先しながら自社社員のスケジュールを調整することになったので、26日の得意先訪問が確定すると、自社社員2名中1名は、25日26日と函館滞在のため、函館に向かってから札幌入りするというスケジュールになった。

 

 2018年9月25日、羽田発7時15分ANA4757便で函館へ向かう。この便は久々に搭乗するAIRDOによる運航便だ。

 B767の機内に入るとやはりANA機とは違う。スマートではないが温かみのある北海道の気配が漂っている。

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 搭乗機は雲の上を延々と飛行した。地上の景色は殆ど見ることができないまま岩手上空付近から高度を下げ、雲を突き抜けると曇天の下、津軽海峡の海面上空を引き続き高度を下げていく。

やがて函館山が見えてきて函館競馬場の真上で右旋回し、湯の川温泉のホテル群をかすめるように函館空港の滑走路に進入していった。

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 函館空港に8時半に到着。まだ朝8時半なのにもう函館の地にいるのだから飛行機は魔物だ。まだ東京のオフィスにはまだ誰も出社していないだろう。

 社長はこの後のJAL便で函館入りし、道内社員のTさんも札幌丘珠から空路函館入りする。

お二人の到着まで時間があるので先にレンタカー会社のカウンターへ向かう。係員とともにワゴン車で近くの営業所へ移動し手続きを済ます。車の周りを1周してキズの確認をする儀式はやはり楽しい。この話をしても誰も共感してくれないが。

9時半過ぎに3名揃ったので早速函館の中心部に向かった。

 函館は以前住んでいた街なので懐かしい。湯の川温泉も、市電が走る街並みも函館山も以前と変わらないが、街の活気的には以前にもまして厳しい感じがした。

函館駅前には以前あった商業施設がなくなり、跡地にはタワーマンションが建っていた。老舗百貨店の棒二森屋にも立ち寄ったが数か月後に閉店することが決定していた。

北海道新幹線新函館北斗まで開業して2年半程たち、新しいホテルもいくつかオープンしており観光客受け入れ体制は整っているようだが函館市の人口は年々減少し商業的には厳しいようだ。

お昼までの少しの時間で函館山中腹から海辺にかけて広がる西部地区の街並みを、せっかくなので車で巡ることにした。Tさんは仕事で何回に函館に来ているけど西部地区は初めてだという。

ハリストス正教会や旧函館区公会堂といった洋風建築群、そして二十間坂から函館港めがけて降りてきて和洋が融合したデザイン商家や住宅が立ち並ぶ中を、ウォーターフロントの赤レンガ倉庫群まで見ることができた。 

赤レンガ倉庫は地震の影響か、このシーズンのせいか観光客の姿はまばらであった。

途中、かつて暮らしていた、日本一古いコンクリート電柱の脇に立つ、マンション前を通った。こんな観光地のど真ん中で生活していたとは夢のようだ。幼稚園に入った頃の我が子の姿を思い出す。年の流れは早い。自分が年を取るごとにその流れは早くなる。

11時になったので少し早いが倉庫街でひときわ目立つ「ホテルラビスタ」のレストランでTさんの慰労とお見舞いを意図した食事会を行った。イタリアンのビュフェであった。

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函館でもう少しゆっくりしていたかったが、残念ながら時間がない。函館の透き通ったイカソーメンやラッキーピエロハンバーガーを食べられないのがとても残念だが、出張だから我慢である。午後は札幌での得意先商談が控えているからもう移動開始である。

Tさんと別れ、後ろ髪をひかれる思いで社長とともに函館空港へと向かった。北海道は広いから札幌と函館や釧路、女満別などを結ぶ航空路線があり、ビジネス客中心に相応の需要がある。

空港近くのレンタカー営業所に着いたのは丘珠行き出発の40分前で、結構焦りながらギリギリの到着であった。

 

搭乗便は北海道エアシステムの2446便で36人乗りのSAAB340Bというプロペラ機だ。機内は左側1列、右側2列でシートが並び、マイクロバスを少し大きくしたような感じである。私のシートは一人席でプロペラの真横。プロペラが回り始めると否応なしにこちらの心臓も高ぶってくる。

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離陸すると五稜郭公園の真上を横切りそして駒ヶ岳噴火湾を越えて洞爺湖を望み、ほぼ一直線に丘珠を目指す。プロペラ機で距離も短いせいか飛行高度が低く道南の景色が手に取るように見える。

洞爺湖の向こうには雲を被った羊蹄山も望むことができた。

次第に高度を下げると早くも札幌の上空にさしかかる。JRタワーや広大な北海道大学の緑を目印に札幌の街が一望でき、その向こうには石狩湾まで見通すことができる。まるでグーグルアースをみているようだがこちらは本物だ。道央道札幌ジャンクション上空で左に旋回し、丘珠への最終着陸進入をとる。

14時ちょうどに丘珠空港に着陸した。

 

タラップを降りると到着ロビーまでは歩いて移動する。降機してから2分くらいでターミナル前のバスやタクシー乗り場についてしまい、その点でもバスに近いものがある。

私達は再びレンタカーで札幌市内を移動する。伏古インターから札樽自動車道に入り、大谷地インターで下道に降りる。取引先はすぐ近くであった。

商談後、国道12号線を札幌中心部へ向かい札幌駅前のレンタカー営業所で車を返却し、

札幌駅北口近くのオフィスビル最上階の取引先へ今日最後の訪問となった。

 今日は朝から分刻みの行程となったが若干の観光要素や飛行機からの絶景もあり、商談も滞りなく終了したので密度の濃い一日となった。

夜はもうひとりの現地社員Oさんとの見舞い&慰労を兼ねた食事会を予定していた。場所は旧北海道庁近くのお洒落な居酒屋で、事前に予約を入れていた。社長もOさんもかなりお酒に強く、つられて私もいつも以上の飲んだようだ。

やはり札幌で味わう、魚介類もラーメンサラダ、食べる物全てがたいへん美味であった。

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