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サラリーマン生活30年 分野を限定せずに幅広いジャンルで旅、生活、興味のあることを 普通の会社員生活視点から情報発信してまいります。

出張という旅 諏訪・安曇野 2019年7月

諏訪・安曇野

 

 都内で中央線の電車に乗ることはあっても東京駅や新宿駅から山梨や松本方面の列車に乗る機会は滅多にない。

 2019年7月26日、何十年かぶりに松本行きの「あずさ」に乗ることになった。

長野県に本社を有する取引先との商談のため、「信州」へ向かう。自分自身久しぶりの長野県である。

中央線といえば八ヶ岳甲斐駒ヶ岳北アルプスへ向かう路線として観光行楽路線のイメージが強いが、新宿発8時松本行きの特急「あずさ5号」の車内は平日にも関わらず満席であった。

すれ違う中央線の電車はちょうど通勤ラッシュでヒトの瓶詰の様だが、こちらは満席でも新型の特急でゆったり座り優越感に浸る。

 八王子を発車して、高尾を過ぎると一気に山間に入り、東京から脱出した感が強まる。

大月からさらに上り勾配になるが軽快にあずさは駆け上がる。

笹子トンネルを抜けるとぱっと当りが開け、眼下に甲府盆地を一望した。

 ブドウ棚で覆われた山肌をあずさは下っていく。このあたりは勝沼のブドウ産地だ。快晴の空の下、塩山付近では南アルプスの山並みを一望し、甲府に近づくと富士山の頂がみられた。東海道新幹線の車窓から静岡県側の富士山は何度も見てきたが、山梨県側からの富士山は新鮮だ。

甲府で3分の1くらいの乗客が下車して、その半分くらい乗ってきた。

甲府からは再び上り勾配となり、韮崎を過ぎると右手にいくつもの頂を持つ八ヶ岳が見えてきてやがて小淵沢に到着。ここの標高は886メートル。かなり高いところまで登ってきた。外の空気は爽やかだろう。左手には甲斐駒ヶ岳が全容を現わしている

県境を越え長野県に入り、10時06分茅野着。観光客、登山客が多く降りた。スーツ姿は私の他は2、3名といったところだ。

 

茅野駅の改札口外には見慣れた顔があった。先に現地に入っていた長野県担当のS営業担当だ。ここからは二人でレンタカーでの移動となる。

駅の外に出ると空気がなんとも爽やか。茅野駅の標高は790メートル、蓼科高原八ヶ岳、車山高原など多くの観光口の玄関口となっている。

レンタカー会社では登山の服装をした先客二人連れが手続しており暫く待ったのち、書類へのサインと車体の傷確認で車の周りを1周する恒例の儀式を係の女性と執り行う。これは意外と楽しい儀式である。

レンタカーは6月の沖縄出張以来で、今回も私がハンドルを譲らず握らせてもらう。Sさんは30代だがペーパードライバーらしく異論はなかった。

蓼科の標識が見えるとそちらへハンドルを切りたくなるのを我慢して、茅野の隣の諏訪市内にある今日最初の訪問先へ向かう。目的の取引先は十数分ほどですぐに到着した。

商談は、Sさんが事前に根回ししてくれていたので、スムーズに進み40分程で終了した。

 

次の目的地、松本の北に位置する安曇野市へ向かう。諏訪ICから中央自動車道に入り北上する。ちょうど昼食時に差し掛かったので諏訪SAに立ち寄る。

諏訪SAの眼下には東洋のレマン湖といわれる諏訪湖が広がっていた。

諏訪湖を眺めていると仕事で来ている事を忘れてしまう。

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昼時のせいか駐車場もレストランも家族連れが多く混雑している。世の中はもう夏休みに突入していることに気付かされた。あずさの満席にも合点がいく。最近我が家では、主人はたびたび出張で家を空けるが、家族での旅行に行っていない。子供の気持ちを思うといずれは何処かへ連れていきたいと思う。

上諏訪温泉の源泉を使用した「ハイウェイ温泉諏訪湖」に惹かれるが、車に戻り中央道を北上する。

 

松本の町を望み安曇野を快走し、安曇野ICで一般道へ降りる。目前には北アルプスの燕岳や常念岳が全容を見せていた。

目指す取引先はロードサイドの商業施設内にあり、ICからすぐだった。時間が少しあるので近くの「コメダ珈琲」でSさんと打合せを兼ねてコーヒーブレイクすることにした。

安曇野とは美しい地名だ。自分が思うに岩手の雫石と双璧だと思う。

地名の響きと、漢字の視覚からくる感覚の双方が脳に透明感のある美しい残像を残す。

北アルプスの峰々の景観と合わせて思い出に残る場所である。

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商談は大過なく進み、来春にはこちらの意向通り取引を終了することとなった。

出張で安曇野に来ることは恐らくもうないでだろう。少し残念である。

 

安曇野をあとにして車で20分ほどの松本市内へ向かう。市内の小売店を視察する。今回の出張業務は松本で終了だ。国宝松本城を訪ねてみたいところだが時間的に無理であった。

松本駅からは常念岳を始め北アルプスの峰々が雲の合間から遠望することができた。爽やかな風を感じながら「あずさ30号」に乗り込み、一路新宿へと向かった。

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