お題 捨てられないもの 搭乗券

　航空機を利用するとき、今ではチケットレスがほとんどで、空港では手荷物検査場に入る所から搭乗口まで、スマホをかざすだけで搭乗できます。

　ところが最後の搭乗ゲートを通過する際、スマホをかざすと搭乗券と印字された紙片が出てきて係員さんいわゆるグランドホステスさんから手渡されます。そこには、例えばANA 59便　新千歳　21Aと記載されており、搭乗する最後の関門でアナログ的な儀礼を受けて、機上のひととなるわけです。

　わたしはこの最後の儀式がとても好きで、旅立つ気持が高まります。なので手にした搭乗券は、旅の思い出として、捨てられず、大切に引き出しにしまっているのです。たまに眺めては旅に出たあの日を思い出します。