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サラリーマン生活30年 分野を限定せずに幅広いジャンルで旅、生活、興味のあることを 普通の会社員生活視点から情報発信してまいります。

出張という旅  富山 金沢

富山・金沢

 

 仕事納めの日は、例年身の回りの整頓くらいで大した業務もなく、新しい年への期待感と年が終わる寂寥感が交差して、何とも言えない空気感がオフィス内を漂う。一年の終わりの感じ方は人それぞれあるのだと思うが、私は仕事納めの出社時にそれを感じる。

社内的には年間売上げも確定しているので緊張感も消えている、故郷へ帰る社員は昼過ぎには早々と「来年もよろしく」と足早にオフィスを去っていく。

数年前ならば仕事納めの納会という昭和時代的儀式で、乾杯してから三々五々、みんなが散っていったものだ。

ところが最近では社会的な「働き方改革」の掛け声のもと、休めるときには休ませろという、社内の空気が強く、まさに仕事量が減る仕事納めの日は有休消化の絶好の日となっており、半数近い社員は早々と年末年始の休暇に突入している。仕事納めの日の独特の雰囲気はかたちを変えて、今年もオフィス内を漂っている。

 

 今年もそんなこんなで寂寥感漂う仕事納めを迎えるものだと思っていたところ風向きが突然変わってきた。

12月16日に北陸エリアを担当しているN営業担当からメールが入り、12月23日に予定されていた取引先との商談が12月27日に変更になったという。ああそうかと手帳をみると予定は空欄になっている。でもよく見れば空いているのは当然でなんと仕事納めの日ではないか。

まさか仕事納めの日が出張になるとは想定外だが、浜松町のオフィスで寂寥感のなか時間が過ぎるよりはいいかと思いPCに向かってチケットの変更とあいなった。

 

 今回の取引先との商談は、金沢で15時からとなっており前後の予定は比較的動きやすい。

この秋に隣県の富山県内に相次いでふたつの大きなショッピングセンターがオープンしたので、これらの視察も予定に入れていた。そのため富山経由で金沢へ向かうことになった。そうなると結構ハードなスケジュールで、富山入りは早い時間にこしたことはなく、富山空港着8時55分のANA便で飛ぶことにした。

 

12月27日の朝7時過ぎに羽田空港第2ビルに到着。出発ロビーに着いて驚いた。保安検査場はまさに人々の大渋滞。こんな人だかりの状態は記憶にないほどの混雑ぶりで、プレミアム検査場の入口ですら30メートルくらいの人の列。並びながら頭上の出発便案内表示を見ると見事にどの方面の便も×の満席表示。確認できたところでわずかに伊丹行きが△、そして我が富山行き313便のみが〇で空席有りであった。

世間はまさに帰省ラッシュに突入しているのを今更ながらに実感した。スーツを着てこの場にいる自分の違和感があった。でもそれなりに同じ境遇と思えるスーツ姿もちらほらあり、普段の平日の朝と年末の帰省ラッシュが混ざり合った12月27日朝の羽田空港出発ロビーだった。

結局、保安ゲート通過に30分強かかってしまった。よって早朝羽田出発時のパワーラウンジでの無料クロワッサンとコーヒーはスルーして、「富山行き最終のご案内中・・」の案内放送を耳にしながら68番搭乗口へ小走りに向う。

機内は小ぶりなボーイング737でも十分に空席があり。前方の左窓側A席が自分の席で、隣のB席は空席、その隣の通路側は白髪のスーツ姿の男性が座った。帰省客は新幹線に流れているのだろうか。

今日も富士山がよく見える。帰りは夜なので今年最後の富士山を眺める。空から富士山が見えるとなぜか子供のように心がときめく。諏訪湖が見え、夏の長野出張を思い出していたところ、窓外は機長のアナウンス通り雲に覆われて機体が揺れだしてきた。機長アナウンスでは富山空港の天候は雨、気温は12度とのこと。この時期にしては異常に暖かいなと思いつつ、スマホアプリのフライトトレーダーを見てみるとフライトルートは富士山からはほぼ一直線に北アルプス沿いに富山を目指すルートのようだ。このアプリは物凄い機能が満載で、世界中のエアラインの航空機の位置情報だけでなく機種や機体ナンバーまでリアルタイムで表示される優れモノだ。

晴れていれば北アルプスの景観が見事なのだろう。以前、富山から羽田に向かった時は、離陸後日本海沿岸沿に飛行し、長岡付近から尾瀬、南会津那須上空を経て羽田に向かった。この時は夜間で何も見えなかったが、日中だったらさぞかし見事な景色だと思われる。上り下りの便で、しかも短距離でこれほど違う景色を堪能できる路線は、この羽田富山線が三本の指に入るのではないかと思われる。

富山市上空をいったん通り越し、富山湾の沖合まで飛行し高度を下げてからUターン。北側から富山空港へアプローチしてほぼ定刻にタッチダウンした。

 

空港からバスで富山駅へ移動。わずか20分余りで到着。空港と市内中心部の近さでは、これまた全国で三本の指に入るだろう。

駅ビルで「立山そば」の遅い朝食後、レンタカー営業所に立ち寄り黒いデリカD:2が相棒となる。タイヤはさすがにスタッドレスだ。しかし暖冬で積雪はゼロである。

日中は予定通りの業務をこなす。富山駅前の閑散ぶりとは対照的に年末の郊外ショッピングモールは平日でも年末の買い物客で賑わっている。典型的な地方都市の姿を感じる。

富山県を離れ、金沢市へ向かう。

郊外の「スタバ」で営業のNさんと合流し取引先へ向かった。

商談は無事に終了。先方の新しいブランドの反応は上々であった。

打合せ終了の余韻を味わう間もなく営業担当と別れ、デリカD:2小松空港へ向かう。北陸道の車の流れは快調だ。まだ帰省ラッシュの影響はないのか、そもそも帰省渋滞のないエリアのどちらかだろう。フライトは18時15分発だから2時間近く余裕があるので、初の小松空港ANAラウンジでPC業務をしようと思う。

小松空港に17時時過ぎに到着。なにやら大きな掲示板に手書きで「出発便遅れのご案内」との告知が。また遅延かと憂鬱な気分で見てみると、ANA756便定刻16時45分発が1時間近く遅延とかかれていた。ん。これは予定では飛びだっているはずの一本前の便ではないか。もしやと思い自動チェックイン機で便変更画面をタッチすると、すんなり遅れの756便に変更ができた。しかも窓側A席がとれた。

たびたびフライトの遅延にはおつきあいしており、被害を被ってきた。しかし飛行機での移動には付き物でしょうがないことだとその都度言い聞かせてきたが、今回は遅延の影響で逆に早く前の便で移動ができる。しかも好みの機材、A321である。なんだかとても得した気分なのだが、たまにはこれくらいのいいことがあっていいだろう。

756便は7割弱くらいの搭乗率。隣のB席は空席でC席には家族連れのお父さんが座った。やはり帰省なのだろう。愛知県上空から浜松付近で洋上へ出て50分ほどの遅れで羽田に着陸した。私的には1時間以上の早着である。

 2019年最後の出張は業務最終日に、ちょっといいハプニングと共に業務的にも予定通りに終了した。

来年がよい年であることを願う。