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サラリーマン生活30年 分野を限定せずに幅広いジャンルで旅、生活、興味のあることを 普通の会社員生活視点から情報発信してまいります。

出張という旅 宮崎・鹿児島・福岡 2018年3月

宮崎・鹿児島・福岡

広島から戻った翌日2018年3月28日の朝、再び羽田空港に向かった。4日連続の出張だ。 

前日の27日、私は広島市内の市場視察後、夕方広島空港から帰京したが、社長は所用のため朝、先に東京へ戻った。

私だけ27日中に九州入りすることも考えたが、最初の目的地が宮崎ということで、広島からのスケジューリングがうまくいかず、熟考の結果、東京から出直すことが最善と判断した。3日連続、いや今回の帰京を含めると4日連続のフライトとなり、かなりハードな日程である。

 

 今日も天気がよく、快適なフライト。右手に見えた富士山は頂上だけ雲がかかっていた。

 ANA603便は定刻に宮崎空港に到着。

宮崎の空も快晴。まさにここは「日向」である。ターミナル前に植えられた蘇鉄が南国にきたことを実感させる。

 この後のJAL便で到着した社長を到着ロビーで出迎える。この時間に合わせ、前日に宮崎入りしていたH営業担当がレンタカーの黒色ホンダフィットを、空港ターミナル前に横付けした。

 Hさんは福岡在住で、福岡県内の一部と宮崎県内を担当している。宮崎へは飛行機でやってきて、県内の延岡から都城までレンタカーで営業活動している。これまた大変広域なエリアの担当だ。

今日は3人で宮崎市内の小売店視察と宮崎で長い間取引頂いている取引先の社長へご挨拶に行く予定になっている。

 

 車で大淀川を越え宮崎市の中心部へ向かう。正午を過ぎたのでまずは昼食となった。

日向灘に面し魚介から肉類までありとあらゆる食材がそろう宮崎だが、まずは宮崎地鶏の店に入った。ここはHさんが予約してくれていた。

 運ばれてきた親子丼は見るからに新鮮そうなオレンジ色の卵黄がのっかっていて、甘さ控え目でほどよいつゆだく。肉は柔らかで絶妙な味わいだ。

 社長と同行となると、今回は各地の社員との懇親の目的もあるが、ほぼ社長がご馳走してくれるので大変ラッキーである。

 

 食後、宮崎市内の小売店を視察する。夕方、県内最大の取引先本社へ向かった。霧島や高千穂など観光で行きたいところは山ほどあるが、出張だからもちろん行けない。

宮崎の街は太陽の光が明るく、初夏を思わせる陽気だ。途中立ち寄った宮崎県総合文化公園の桜は満開だった。夕方になっても暖かで上着は不要なほどだ。多くのプロ野球球団の春季キャンプ地になっていることが理解できる。3月ン前半まではキャンプやオープン戦で宮崎の街は賑わっていたと思われた。

取引先訪問は1時間ほどで終了し、今日の業務は終了。宿泊先のJR九州ホテル宮崎へ向かう。Hさんは宮崎空港経由で福岡へと戻っていった。

夕食は社長と二人で、Hさんお勧めの地鶏居酒屋に入った。店は賑わっており、辛うじて席につくことができた。

炭火であぶられた鶏の香ばしい香りが店内に立ちこめている。

肉質は柔らかさの中にほどよい歯ごたえがあって噛めば噛むほど旨味が口の中に広がった。ビールを2杯くらいのあとは、社長につきあい、芋焼酎を注文した。普段それほど飲まない私だが、これが結構飲めてしまった。出張ではあるが旅先でテンションが上がっていたのだろう。

 

翌日28日も快晴。宮崎駅発8時15分特急きりしま5号で鹿児島中央へ向かう。

今日は弾丸スケジュールで、これから鹿児島市内中心部を視察の後博多へ移動、九州の営業担当4名と懇親会の後、博多駅付近と天神地区の市場視察。そして小倉へ移動し小倉駅周辺の市場視察の後、北九州空港から帰京する予定である。

出張前、社長にスケジュールを伝えると少々表情が引きつっていた。

きりしま5号は宮崎と鹿児島中央間を走るローカル特急である。わずか4両と短い編成だが私達が乗った自由席の乗客は5名ほどだった。

列車は単線の線路を南下し、山間部で県境を越え、鹿児島県特有のシラス台地の崖下を曲がりくねって走る。途中何度か携帯が圏外になる。やがて錦江湾の向こうに煙をあげる桜島が見えてきた。出張中とはいえのんびり旅気分になってくる。通路向かい側の社長は気持ちよさそうに舟をこいでらっしゃる。 

桜島が大きくなってきて景色が街っぽくなってくると、車内放送が鹿児島中央到着を告げた。

振り返ってみると、鹿児島は中学生の頃に訪れて以来約35年ぶりとなる。桜島を自転車で1周したことを思い出す。

10時25分定刻に鹿児島中央駅到着。

 

鹿児島中央駅から、鹿児島担当のSさんが合流し、タクシーで繁華街の天文館へ向かう。

宮崎より一段と日差しを強く感じる。行き交う人々は多く市電がひっきりなしに走り、予想以上の活気を感じた。

天文館地区の小売店数店を文字通り駆け足で視察したのち、駅前に戻ってきた。1時間強の滞在時間である。

社長から鹿児島ラーメン店「こむらさき」のお土産ラーメンを買いたい、とのリクエストがあり、駅ビル内の「こむらさき」に向かった。店内では美味そうにラーメンをすするお客さんでいっぱいだ。ここで食べていきたいところだが、11時34分発の九州新幹線さくら554号に乗らねばならない。レジで支払い終えたとき、発車5分前だった。暑さに加え走ったことで汗が吹き出していた。

 

初乗車の九州新幹線、指定席車はゆったり広々していてとても快適だ。座席が2列+2列なので「のぞみ」等より1列少なく、一見グリーン車かと思うくらい快適なシートである。「さくら」も「みずほ」も山陽新幹線に乗り入れ、新大阪まで直通しているから博多や広島あたりと新大阪の間を利用する際も、「のぞみ」の指定席より「さくら」「みずほ」を利用した方が快適だと思う。

一方、スピードの点では、東北新幹線はやぶさ」の最高時速320キロに対し、九州新幹線内の最高時速は260キロとなっているからその差は大きい。東北新幹線はやぶさ」に乗ってしまうと九州新幹線は「徐行しているのか」と思ってしまうくらい体感的な差を感じた。それでも十二分に速いのだが。

 

予定通り博多到着後、駅近くのホテル内の中華料理店で、九州在住の営業担当者との懇親会を終え、九州一の繁華街天神エリアの視察に向かう。

天神は通りにファッションビルが林立し、老舗のデパートやドラックストア、飲食店などが軒を連ねている。地下街にもファッション系をはじめ150余りのテナントが軒を連ねている。十九世紀のヨーロッパをイメージして造られ、石畳の床や落ち着いた照明が独特の雰囲気を醸し出している。全国で数多くの地下街を見てきたが、私の中では一番魅力的なところが天神地下街だと思っている。

取引先の小売店も十数店あり、駆け足で売場状況を見て回る。さすがに九州一番の繁華街らしくの平日の午後でもかなりの賑わいだ。

駆け足で天神をめぐり地下鉄でJR博多駅へ戻る。

もう日が傾き始めたがこれから17時過ぎの新幹線で小倉に向かう。

小倉までは在来線で行くと1時間20分ほどかかるが新幹線ならわずか15分。所要時間は5分の1ほどで料金はというと運賃は在来線が1310円に対し新幹線は自由席利用して2160円、とその差は2倍もない。であれば新幹線で行くわけでのぞみ自由席に飛び乗る。

小倉駅の改札を出るとだいぶ日が沈んできたが最後の店頭視察で3店ほど巡る。短時間の印象ではあるが予想よりも人の出は少なく北九州の現状を肌実感した。

小倉駅前の市場視察で今回の出張ミッションは終了である。社長は心なしかおつかれのようだ。あとは北九州空港から羽田へ向かう。

北九州空港へは連絡バスで40分ほどだ。

バスは7割程度の乗車率で結構乗っている。

空港までは途中高速道路を経由し、街明かりが点き始めた北九州市街地や皿倉山、空港に近づくと海を臨み、景色が富んで見ごたえがある。少々眠たかったが、一気に眠気が吹っ飛んだ。北九州空港海上空港で最後は海の上を走り抜け出発ロビー前に到着した。空港連絡バスの車窓の豊かさでは、この小倉北九州空港線が、私の乗った路線の中ではトップに入ると思う。

人工島につくられた北九州空港のターミナルビルは小ぢんまりとしているが、サラリーマン系の搭乗者で賑わっている。

手荷物検査場を通過し搭乗口近くのベンチへ座る

社長が「福岡空港だったらANAラウンジでビールが無料で飲めたなあ」と言いながら二人売店で買った生ビールで打ち上げの乾杯。残念ながら北九州空港にANAラウンジはなかった。

帰路は初めてのスターフライヤーA320の羽田行き。ANAとのコードシェア便だ。

社長はANAの上級メンバーなので優先搭乗で一足早く搭乗口から機中へ消えていった。

私はこの年にたくさんポイントを稼ぎ、翌年、めでたくプラチナ会員となったが、この時点ではまだ一般メンバーにすぎないので搭乗案内を暫く待つ。

数分後機内に入ると見慣れない新鮮な空間に少なからず心がときめく。

機体もシートもCAの制服も黒で統一され、こころもちシート間隔が広いようだ。A320はほぼ定刻に北九州の地を離れた。離陸して上昇するといつものように睡魔が襲ってきたが数分で正気に戻る。ドリンクサービスで、コーヒーをお願いするとチョコレートがついたタリーズのコーヒーだった。

旅先からの帰路は行きよりも時間の経過が早く感じる。それは出張帰りでも同様だ。

A320はもう房総半島上空にさしかかっていた。羽田への最終着陸態勢に入っていた。